こんにちは、miya(@skincare_lab)です。
「ビタミンC誘導体」って聞いたことありますか?
「言葉は聞いたことがあるけど・・・」
「普通のビタミンCとは何が違うの?」
「そもそも何に効くの?」
・・・など、
きちんと理解して、自分に合うものを使えている人は少ないと思います。
しかも、いざ買おうと調べてみるとたくさんの種類があるビタミンC誘導体。
今回はそんなビタミンC誘導体について詳しく紹介していきたいと思います。
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ビタミンC誘導体とは?
ビタミンC誘導体はプロビタミンCとも呼ばれています。
壊れやすく、肌への吸収性も低いビタミンC(アスコルビン酸)を、人工的に安定化させたものをビタミンC誘導体と言います。
ビタミンC誘導体は皮膚に浸透しやすく、浸透した後ビタミンCに変化するという特徴があります。
ビタミンCの美容効果としては、活性酸素を抑える抗酸化作用やできてしまったメラニン色素を還元する美白効果、皮脂分泌のコントロール作用、コラーゲンの生成を促進によるシワやたるみの改善効果などがあります。
ビタミンC誘導体の種類と特徴
ビタミンCを肌に直接使うと刺激が強く、浸透しにくいというデメリットがあります。
また、ビタミンCは紫外線に当たることで酸化してしまうため朝は使用しないか、紫外線対策をしっかり行う必要があります。
ビタミンC誘導体はビタミンCの吸収性も高めたものです。
水溶性タイプでは数時間後をピークに急速に吸収されます。
脂溶性タイプでは持続的にゆっくりと吸収されます。
リン酸アスコルビン酸ナトリウム(VCーPNA、APS)
水溶性で、リン酸アスコルビルマグネシウムよりも刺激があり、効果は低いと言われています。
しかし溶けやすく高濃度で配合できるため使いやすいというメリットがあります。
短時間で吸収されやすく、コストが低いため皮膚科医でも使われています。
皮膚科では5%以上の高濃度で配合されることが多く、5%以下だと効果は得られにくいと言われています。
しかし高濃度になりすぎると刺激性、乾燥性が強く出てしまうため敏感肌や乾燥肌の人は注意が必要です。
リン酸アスコルビルマグネシウム(VCーPMG、APM)
水溶性のビタミンC誘導体の中では最も効果があると言われており、皮膚科医でも多く使われています。
美白美容液やクリーム、化粧水などに安定的に配合することができます。
濃度が高くなると沈殿しやすくなるというデメリットがあります。
刺激性、乾燥性はありますが、APSと同程度であると言われています。
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(VCIP)
アスコルビン酸イソパルミテートやイソパルミチン酸アスコルビルとも呼ばれている新型脂溶性ビタミンC誘導体です。
分解されるまでに時間がかかるため、遅効型のビタミンC誘導体とも言われています。
水溶性のビタミンC誘導体より吸収力が数倍良く、刺激も少なく、脂溶性ビタミンC誘導体の中で最も優れていて、長時間作用してくれます。
ジェルやクリーム、オイルなどに配合されていることが多いです。
アスコルビン酸ー2リン酸ー6パルミチン酸(APPS)
パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウムとも呼ばれる進化型のビタミンC誘導体で、一般的にAPPS(アプレシエ)と呼ばれていることが多いようです。
刺激が少なく安全性も高く、水溶性と脂溶性の両方の性質を持ち、真皮まで浸透しやすいという特徴があります。
水溶性のビタミンC誘導体の100倍の浸透力を持つと言われています。
しかし、分解性が高い(つまり安定性が低い)ため化粧品に配合されている場合には、購入した時点ですでに配合してから数ヶ月経っている可能性があります。
その場合には効果が期待できなかったり、肌に悪影響となってしまったりすることも考えられます。
そのためAPPSは、粉末のまま化粧品とセットで販売されたり、粉末単品で販売されていることが多いようです。
分解性が高いため化粧品と混ぜてから1ヶ月以内であれば効果は期待できるとされていますが、できれば毎日作る方が良いでしょう。
また、APPSが水溶性・脂溶性の両方の性質を持つと言うことは界面活性作用があると言うことになります。浸透性が高いのも界面活性剤の力であり、肌のバリア機能を壊しているとも言えます。
イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム(APIS)
水溶性と脂溶性の両方の性質を持ち、高い安定性、浸透性、代謝性を兼ね備えた最新型の高浸透ビタミンC誘導体です。
その浸透力はビタミンCの約200倍、APPSの約2倍と言われています。
しかし価格が高いというデメリットの他に、イソステアリルアルコールを使用しているため軽度~中等度の眼刺激性とアレルギー性があると言われています。
敏感肌の人は注意が必要でしょう。
イソステアリルアルコールはエタノールなどのアルコールとは異なり、高級アルコールと呼ばれるろうそくのロウのような油性成分であり、化粧品の乳化剤や保湿剤、安定剤などの役割で使用されていることが多いものです。
効果が期待できないビタミンC誘導体
◆アスコルビン酸グルコシド(Lーアスコルビン酸2グルコシド、AAー2G)
ビタミンC(アスコルビン酸)に糖(グルコース)を結合させたもので、ビタミンC誘導体の中では最も安定し、常温で長期保存できるものです。
一般的に安定型ビタミンC誘導体と言われ、美白化粧品にも配合されていますが、人の皮膚には糖をほどく酵素(αーグルコシターゼ)の存在が確認されていないため、実際にはビタミンCに変換することができず、美白効果がないと言われています。
ただし、メラニン生成の抑制には効果が認められているため、全く効果がないという訳ではないようです。
◆アスコルビン酸グルコシド脂肪酸
アスコルビン酸グルコシドを脂溶性にしたビタミンC誘導体です。
アスコルビン酸グルコシドと同様に糖が結合されていますが、人の皮膚には糖をほどく酵素の存在が確認されていないためビタミンCに変換することができず、美白効果がないと言われています。
◆パルミチン酸アスコルビル(エステルC)
古くから使われている脂溶性のビタミンC誘導体です。
海外のクリームなどに配合されていることが多いようですが日本ではあまり使われていません。
安定感が良くないため変質しやすく、最近の研究では皮膚を酸化させてしまうことが指摘されています。
他にもVCー2G、VCー3G、VCーDG、GOーVC、VCーMG、VCー3LGなど様々なビタミンC誘導体が存在しています。
新しく作られたものや効果が不明確なまま使われ続けているものなどもありますので、自分自身の目で成分や効果をしっかりと調べて、確認してから使用するようにしましょう。
おすすめの選び方・使い方
おすすめの選び方
種類の多いビタミンC誘導体ですが、価格や特徴を踏まえて、自分の肌に合ったものを選んだり、目的によって使い分けたりすると良いでしょう。
例えば、水溶性タイプは即効性があるためすぐに効果を実感したい人におすすめですし、脂溶性タイプは皮膚に長時間留まって作用してくれるためゆっくりじっくりケアしたい人におすすめです。
私のおすすめするビタミンC誘導体は、
リン酸アスコルビン酸ナトリウム(VCーPNA、APS)、リン酸アスコルビルマグネシウム(VCーPMG、APM)です。
皮膚科でも使用されているものですし、多少刺激はありますが、十分に効果は期待できると思います。
毎日作るのが面倒でないと言う人には、アスコルビン酸ー2リン酸ー6パルミチン酸(APPS)もおすすめです。
高い効果が期待できますが、使用期限が短いことや作る手間を考えると、これでなくても良いような気もしてしまいます。
おすすめの使い方
化粧水や美容液、乳液、クリームなど様々なアイテムに配合されていますので、普段のスキンケアで手軽に使用することができると思います。
しかし新たにビタミンC誘導体の入った化粧品を買ってしまうと今まで使っていたものと被ってしまい、もったいないと思いませんか?
そこで私のおすすめの使い方としては、
ビタミンC誘導体の原液(美容液)を購入し、洗顔後にビタミンC誘導体の原液をまず塗布します。その後今まで通りに化粧水、乳液、クリームを使用するという方法です。
ビタミンC誘導体には皮脂コントロール作用があるため、使用することで乾燥しやすくなってしまいます。肌の状態に合わせて保湿ケアをしっかり行うように気をつけましょう。
また、はじめて使用する場合や高濃度のものを使用する場合は、必ずパッチテストを行ってから使用するようにしましょう。
まとめ
- 壊れやすく、肌への吸収性も低いビタミンC(アスコルビン酸)を、人工的に安定化させたものである。
- ビタミンCには、抗酸化作用や美白効果、皮脂コントロール作用、コラーゲンの生成促進などがある。
- ビタミンC誘導体には、水溶性タイプと脂溶性タイプ、水溶性・脂溶性両方の特性を持つタイプの3種類がある。
- 水溶性タイプは数時間後をピークに急速に吸収され、脂溶性タイプは持続的にゆっくりと吸収される。
- ビタミンC誘導体は様々な種類があるため、自分の肌に合ったものを選んだり、目的によって使い分けたりすると良い。
ビタミンC誘導体を上手に活用し、美肌を手に入れましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!
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